治療のための実験をはじめてみようー実験5 記憶のタグの付け替え

辛い記憶のほとんどは、人間関係から引き起こされたものだ。負の記憶は、どういうわけだか何度も再生されてしまう。理不尽に存在を否定されるようなことは、生存本能にかかわるからかもしれない。しかし「最悪」というタグから、「良」「可」程度の付け替えを行うことはできる。決して最初から最悪な関係になろうと思って、人は人間関係を結ぶのではないはずだ。わずかでも楽しく、良い記憶もあるはずだ。良い記憶だけを残して、もっと自分のふさわしい人に出会い、そして笑みを浮かべてすれ違う。そのためには、敵前逃亡も悪くはない。がんばって、がんばって、自分が壊れる必要はないのだ。