介護の日々

2011年からの5年間ほど、この世の地獄をみた期間はない。母は勝手にシングルマザーとなり、家は貧しく、母は厳しいばかりで、しかも他人の愚痴と悪口だけの人だった。私の幼年時代は決して良い記憶がない。ただただ母の顔色をうかがい、周りの恵まれた人々に比べて自分は生きている価値すらないと思ったことは何度あっただろう。そんな母に押し切られる形で同居を始めたが、母の立てる生活音に耐えられず、さらにどんなに疲れて帰ろうが夜中に夢遊病者のように起こされる、倒れる、入院、忘れ物が増えてそのたびに警察に取りに行くことが増えた。心底疲れ、母を捨てることしか考えられず、そしてその自分の考えの非道さに苛まれる日々が5年間、続くことになった。